日本の仏教はいろいろな宗派があり、それぞれに素晴らしい特徴や教えがあります。しかし、「宗教って難しそうだしよく分からない…」という方も多いでしょう。今回は禅宗のうちのひとつ、「臨済宗」について色々と調べてみました。鎌倉時代から広まった、歴史ある宗教です。
「禅宗」の歴史と由来
禅宗の意味(禅宗とは)禅宗とは、臨済宗・曹洞宗・黄檗宗に代表される座禅を用いた修行を行う仏教の宗派です。
全ての人には、内面に仏性があり、それを再発見するためには座禅の修行を行い、仏教における心理を体験をもって知るとされています。
インドに始まった禅を6世紀の前半に達磨が中国へ伝えて発展させました。
日本では鎌倉時代の初期に栄西の臨済宗、道元の曹洞宗、江戸時代に隠元の黄檗宗がそれぞれ伝わり発展していきました。
坐禅は禅宗の修行であり、両者は切っても切れない関係です。
お釈迦様に始まり、達磨大師に受け継がれた仏教は、インドから中国に伝わりました。
その中国でも禅宗は仏教の主流として栄えたので、禅宗が仏教の代表・本流であるといっても過言ではありません。
臨済宗とは
臨済宗は、禅宗のひとつです。
中国禅宗の五家七宗の一つが、鎌倉時代に明庵栄西が日本に伝えました。看話禅は、師匠が出す公案という問題を、弟子が、体全体で答えを見出す中で、理論を超えた真実を探すというものです。また、師匠と二人きりで対面し、弟子が提示した結果を、師匠が検証する参禅を行うことで、体得しました。
浄土宗、浄土真宗の念仏を唱えて極楽浄土へ行く他力と比較して、坐禅によって悟りを得ることは、自力と呼んでいます。
厳しい武士の世の中の鎌倉時代では、武士を中心に坐禅が広がりました。
南無釈迦牟尼仏を唱えます。
禅宗は、鎌倉時代になってから武家社会の庇護の下で日本独自の発展を遂げ、さらに庶民の間にも広がっていきました。
臨済宗と曹洞宗の違い
臨済宗と曹洞宗の違い臨済宗・・・看話禅・公案禅
修行して、本来の自己(仏心)に目覚めることが悟り曹洞宗・・・黙照禅・生活禅
修行の結果、仏になるのではなく、修行することが仏の行禅宗の代表的な宗派である、臨済宗と曹洞宗ですが、その違いを簡単に述べるなら、どちらも、その修行の方法は禅ですが、しかし、座禅に対する心構えが全く違います。臨済宗は座禅を悟りに達する手段を考えていて、その最中、公案を思索し工夫する〈公案禅〉ですが、曹洞宗は座禅に目的も意味も求めずただ黙々と壁に向かって座禅をする〈只管打座(しかんたざ)〉を修行とします。
臨済宗では公案といわれる「禅問答」によって、「本当の自分を見つけるために坐禅」をするというものであるのに対し、曹洞宗では、坐禅をしているその人自身が、すでに「本当の自分」であるというものでした。
さらに、臨済宗は鎌倉幕府の庇護の下に武士(特に上級武士)に広まりましたが、曹洞宗は一般庶民の間に広まったことが大きな特徴です。
坐禅とは坐禅の作法
『座禅』
古くは仏教以前のインダス文明興起のころから行われていた修業法で、仏教でもこれを採用した。静かに座って妄念を払い、心を一つの対象に専心する修業法をさす。
『結跏趺坐』←(けっかふざ)あるいは『半跏府座』←(はんかふざ)の姿勢で座し、睡眠と妄想を防ぐために目を半眼に開き、手に『法界定印』を結ぶのを定式とする。
調身・調息・調心を基礎として座る。背筋を伸ばし、へその下10cmくらいの所(臍下丹田)に気を集中する。腹式呼吸でゆっくり息を吐き、吐き切った反動で吸う。 線香1本位の時間、静かに座ってみるのも一興。
坐禅をすることは「坐る」とも言うそうです。座って目を瞑るだけなら簡単、と思うかもしれませんが、これが意外と難しいもの。
全国で「坐禅会」や「坐禅研修」が行われているので、もし近くのお寺で行われているようでしたら参加してみてはいかがでしょうか?
まとめ
1)「臨済宗」は、座禅を用いた修行を行う「禅宗」の一つの宗派である。
2)禅宗には、臨済宗のほかに、「曹洞宗」「黄檗宗」がある。
3)禅宗は達磨大師によってインドから中国に伝わり、中国で大きく発展した。
4)臨済宗は武士の庇護の下で、日本独自の発展を遂げた。
5)臨済宗と曹洞宗の違いは、坐禅に対する考え方の違い。
そのため、坐禅の作法も臨済宗と曹洞宗で違う。
この機会に私も坐禅会に参加し、自分自身を見つめ直してみたいと思いました!