7月に行われる新盆と8月に行われる旧盆。お盆の時期が地域によって異なるのはご存知でしょうか?今回はその新盆と旧盆の違いとその成り立ちについて調べてみました。興味が沸いた方・お暇な方はどうぞお付き合いくださいませ。
お盆とは
今回は少し掘り下げて、その詳細や由来を見てみようと思います。
盆・お盆とは祖先の霊を供養する行事です。お盆の期間・お盆の時期には祖先の霊が子孫や家族の元に帰って来るとされ、盆の入りには迎え火を焚き祖先の霊をお迎えし、盆明けには送り火を焚いて送ります。
仏教用語の「盂蘭盆会」の省略形として「盆」(一般に「お盆」)と呼ばれる。盆とは文字どおり、本来は霊に対する供物を置く容器を意味するため、供物を供え祀られる精霊の呼称となり、盂蘭盆と混同されて習合したともいう説もある。現在でも精霊をボンサマと呼ぶ地域がある。中華文化では道教を中心として旧暦の七月を「鬼月」とする慣習がある。旧暦の七月朔日に地獄の蓋が開き、七月十五日の中元節には地獄の蓋が閉じるという考え方は道教の影響を受けていると考えられる。台湾や香港、華南を中心に現在でも中元節は先祖崇拝の行事として盛大に祝われている。
盆の明確な起源は分かっていないが、1年に2度、初春と初秋の満月の日に祖先の霊が子孫のもとを訪れて交流する行事があった(1年が前半年と後半年の2年になっていた名残との説がある)が、初春のものが祖霊の年神として神格を強調されて正月の祭となり、初秋のものが盂蘭盆と習合して、仏教の行事として行なわれるようになったといわれている。日本では8世紀ごろには、夏に祖先供養を行うという風習が確立されたと考えられている。地方や、佛教の宗派により行事の形態は異なる。
そこに元々あった土着信仰や先祖供養のカタチが混ざり合って現在の姿に変わっていったようです。
旧盆・新盆とは
旧盆
旧暦の頃は7月15日前後にお盆の行事を執り行っていました。これを新暦に当てはめるとだいたい8月20日前後となります。
旧盆で今もお盆行事を執り行っているのは沖縄・奄美地方くらいのようです。
お盆の行事は、元々7月に行われていました。とはいえ、お盆の風習の始まりはとても古く
平安時代には「盂蘭盆」の行事が定着していた。といわれています。当時は、お盆の行事を行う7月15日を中心として
7月13日~16日がお盆の期間でした。ここでの7月は旧暦になります。
新盆
こちらは明治以降の新暦に移ってからは新暦の7月15日前後にお盆行事を執り行っているものです。
東京をはじめとした一部地域はこちらですね。
※「新盆」というと初盆の別称を意味する場合もあります。混同を避けたい場合には「新暦盆」などとすると良いでしょう。
月遅れ盆
月遅れとは「新盆の一ヶ月遅れ」という意味で、8月15日前後をお盆としています。
こちらが主流になって理由としては「旧暦は毎年日付がずれる」「そもそも旧暦の表記が無いカレンダーが増えた」などで旧盆が廃れていったことと、農家において特に忙しい新暦の7月ではなく旧盆に近い8月にお盆を執り行うほうが都合がいいこととが重なったようです。
これらの理由により農家が少ない都市部では新暦そのままの新盆が広まり、旧盆のまま変化が無かった沖縄などの離島はそのまま旧盆が、その他の地域では月遅れ盆が広まっていったのだとされています。
※月遅れ盆を「現在の事情にあわせた旧盆」と扱う考え方もあります。
【旧盆の地域】東京と一部地域を除くほぼ全国8月にお盆を行う地域は、新盆の地域と変わり盆の地域(旧暦の7月15日にお盆を行う地域など)を除くほぼ全国で、日本では旧盆の方がスタンダードです。 旧盆の地域の多くでは8月15日をお盆の中心と考え、8月13日から16日までの4日間にお盆の催しや風習が行われます。京都のように8月7日からお盆始まりを迎える地域もありますが、8月15日が中心であることに変わりはありません。
大事なのはご先祖様をないがしろにしないこと、ですからね。