日蓮(法華)宗京都二十一ヵ寺の大本山である「妙蓮寺」。
半年間咲き続けるという「御会式桜」が見られる事で知られています。
ですが、観光寺院としては比較的拝観者が少ない事から、桜の隠れた名所として穴場とも言えるスポットなんです!
◆日蓮の孫弟子日像が開いた寺院
また、日蓮宗が京都で開いた最初の道場としても知られており、
日蓮自筆の書が寺宝として保管されている事でも有名です。
奥書院及び玄関には、襖長谷川等伯(とうはく)一派の筆とされる濃彩の金碧(こんぺき)画が、襖絵として拝観者を迎えてくれます。
猪熊通寺ノ内にある妙蓮寺(みょうれんじ)です。妙蓮寺は、宗祖日蓮大聖人より帝都弘通宗義天奏の遺命を受けた日像聖人によって、永仁2年(1294)に創建されました。皇族始め足利将軍義尚等の参詣多く、格式高い寺となりました。
天正15年(1587)に現在地に移転した当寺は、塔頭27ヶ院を有する大寺院でしたが、天明8年(1788)の大火によって、そのほとんどが焼失し、わずかに宝蔵・鐘楼を残すのみとなり、現在は塔頭8ヶ院の寺となりました。
◆御会式桜(おえしきさくら)
近年では、国内外から数えきれない花見客が訪れる京都市内において、隠れた名所として知られるようになってきました。
また、境内には御会式桜の他にも四季折々の花々が植えられており、尊神堂前には柘榴の木が植えられています。
妙蓮寺で有名な桜は、日蓮が入滅した10月13日前後から咲きはじめ、翌4月8日の釈迦が生まれたころに満開になる「御会式桜(おえしきさくら)」。散った桜を持ち帰ると恋が成就するとも言われています。4月8日ころ満開になると昔は言われていましたが、全国的に年々桜の開花が早くなっているため、8日ころにいくと葉桜になりかけていることがあるのでご注意を。ただ、境内にはソメイヨシノもあるため、御会式桜が散っていたとしても境内に降り注ぐ満開の桜を見ることができます。
◆十六羅漢石庭の魅力
一節にはお釈迦様に関係しているとも言われています。
まず臥牛石をお釈迦様に見立て、残りの十五個の石に観察者を含めて「十六羅漢」と解釈するようです。
十六羅漢石庭(じゅうろくらかんせきてい)は、玉淵坊日首(ぎょえんぼうにっしゅ)によって作庭された庭です。日首は桂離宮の造営を指図したとも伝わる作庭の名手でした。庭中央にある青石は、豊臣秀吉によって伏見城から移された名石です。長らく火災による損傷が激しいままでしたが、近年ようやく復元されて往年の美しさを取り戻しました。
石庭は、青石を仏陀に見たてて真理に呼応する地涌の菩薩(羅漢の別名)を表わしたものです。日蓮宗の寺院に禅宗様式の石庭が造られているのは珍しく、これについては「久遠実成(くおんじつじょう)の法華思想を表現するために石庭を作ったのではないか」といわれています。
◆赤穂浪士の墓石
47名の赤穂浪士の内、大石内蔵助を含む46名の遺髪が遺骨の代わりに納められているそうです。
赤穂浪士の内、唯一切腹を免れた「寺坂吉右衛門」の姉によって建墓されました。
妙蓮寺の墓地には赤穂浪士の墓があり、遺髪が納められています。以前の墓石は老朽化が進んだため、近年に新しい墓石に建て替えられました。線香を立てる器の四方には、歌舞伎各家の銘が刻まれています。これは、かつて京都の歌舞伎座で忠臣蔵が演じられるとき、歌舞伎役者が墓前に参拝した名残です。
◆趣の違う三つの庭園
広大な敷地には光琳曲水の庭、龍華飛翔の庭、孟宗竹林の坪庭と3つの庭があり、それぞれ違う趣をもっています。 市中にあるにもかかわらず来訪者は少なく隠れた紅葉スポットとして上げる方も多いです。
住所:京都市上京区寺之内通新町西入妙顯寺前町514
電話:075-414-0808
拝観時間:10:00~17:00
休日:毎週水曜、年末年始
【拝観料金】
境内:無料
庭園:本堂拝観御朱印込500円
収蔵庫:300円