「墓石」に刻まれる「文字」にはどんな意味があるのか

ご自身でお墓を建てた経験がある方ならご存知かもしれませんが、墓石に刻まれる「文字」について詳しく説明できる方は少ないかもしれません。文字を刻む場所、今時はどんな文字が好まれているかなど、日頃あまり気にしていなかった墓石の文字について調べてみました。

お墓のはじまり

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 仏教本来の考え方からすると、お墓は必要ありません。なぜなら、インドでは死者を火葬するのが一般で、焼け残った骨は川に流したからです。これは、インドで現在でもつづいています。一方、日本では昔から土葬が行われていました。死をけがれたものと考え、死者に対する恐怖から、うめた土の上に石をのせました。これが、現在のお墓のはじまりです。

 お墓は、日本では身近なものです。「私が死んだら、海にまいて鳥のえさにしてくれ。」という考えも一つのあり方ですが、残された人にとって、お墓は「いつでも亡き人に会える場所」として、心のよりどころになっていることも事実です。先祖供養(せんぞくよう)はお釈迦(しゃか)さまの教えではありませんが、人生に迷ったとき、ご先祖さまのお墓の前で、静かに心を落ち着けてみるのもいいかもしれません

■墓石に刻む文字
 古くは経文や梵字だけでしたが、武士階級が戒名や法名を刻むようになると、それが庶民にも一般化し、やがて本名を刻むようになります。明治時代に入って○○家之墓、○○家代々之墓と刻まれるようになってからは、これが普通となり、現在はほとんどが家名や本名を刻むようになってきました。
土葬された死者に対して恐怖があった昔の日本人は、その土の上に石を積みはじめるようになりました。それが墓石をともなったお墓のはじまりであり、墓石という言葉の起源のようです。
「○○家之墓」という文言が広まったのは明治時代からだということで、意外と最近のことなんですね。

墓石の文字を刻む場所、その内容や意味

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 【お墓の正面(棹石)に刻む彫刻】

棹石(竿石)の正面に刻む彫刻は、下記のものがあります。

家名:「○○家之墓」「○○家先祖代々之墓」「○○家」などがあります。

題目:宗旨・宗派によって題目文字が違います。仏教では「南無阿弥
    陀仏」「南無妙法蓮華経」などで、神道では「○○家奥津(都)
    城」、キリスト教では十字架などになります。

文字や詩・俳句:故人がつくった詩や俳句などの文字。故人の個性や
           思いを表現した「愛」「和」「心」「感謝」などの文字。

図柄・図案:花柄や故人にゆかりのあるイラストなどになります。

 【側面・裏面に刻む彫刻】

棹石(竿石)の側面・裏面に刻む彫刻は、下記のものがあります。

戒名(法名):寿陵墓、生前戒名を彫刻する場合は、彫刻部分に朱を
        いれることがあります。

俗名:生前の名前

没年月日:ご命日

享年:亡くなった時の年齢
     ※満年齢の場合と数え年の場合と両方あります。

建立年月日:お墓を建立した年月日

建立者名:施主名。もしくは「○○家 兄弟一同」といった形や
       連名で彫刻することもあります。

今までお墓の正面に刻まれた文字にばかり注目していましたが、側面や背面の文字についても詳しく知ることができました。
それぞれに内容や意味があり、宗派による「宗教観」はもちろん、「家」や「ご先祖様」に対する敬意が強く感じられました。

お墓の正面にはどんな文字を刻んでいるのか

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現在でも、そのスタイルは多く見受けられますが、近年、故人の好きであった言葉やフレーズ、そして家族の「思い」が表現された言葉や文字などが記されるようになりました。

書式や構成・配置など、お墓を建てる人のこだわりが色濃く反映された墓石も多く見られます。

 【一字の言葉(漢字)】
愛・夢・和・心・祈・憩・空・幸・花・風・海・絆・想・偲・魂・眠・
無・楽(樂)・逢・悠・道・昴・静(靜)・遊・厳・輝・真(眞)・
願・礎・佛・喜・安・円・穏・悦・仰・曙・信・然・浄・命

 【二字以上の言葉(漢字)】
自然・永遠・無限・旅へ・佛心・夢想・清心・喜悦・悠々・信望愛
一期一会・具會一處・諸法無我・春夏秋冬・春秋有楽

 【二字以上の言葉】
「こころ」 「きぼう」 「想い」 「やすらかに」 「ありがとう」
「いつまでも」 「やすらぎ」 「やすらぎの碑」
「いい人生でした」 「Forever」 「Love」

  【句になった言葉】
「心やすらかに」 「やすらかにここに眠る」
「あなたに逢えてよかった」 「いつもいっしょだよ」
「一生懸命生きたよね」 「花こぼれてなほ薫る」
「さわやかにせいいっぱい」
「風のように 雲のように 天に抱かれて眠る」
「光は満ち、緑は潤い、心は謐かなり」

お墓の正面に刻まれる言葉と言えば、「○○家之墓」や「先祖代々之墓」という文言を思い浮かべますが、最近は漢字一文字のものや「詩」や「句」といったものも見受けられます。
特に近年オープンした民間霊園では、これまでに無いさまざまな語句やデザインの墓石を見るようになりました。お墓も個性を求める時代になってきたということでしょうか。
故人が好きだった漢字や言葉を刻むと喜ばれそうですね。

墓石に文字を刻む時の注意点

お墓の文字は、一度刻んだら手直しすることは容易ではありません。どのような文字を彫るのかは、故人の遺志や家族の思いを踏まえた上で、慎重に検討することが大切です。また、お墓のある霊園や寺院などによっては、宗教的な問題などで自由に文字を刻むことが禁止されているところもありますので、必ず事前に確認しておくようにしましょう。
墓石に刻む文字が間違っていたら一大事ですね。一度「文字」を刻んでしまえば、手直しはほぼ不可能でしょう。依頼する石材店としっかりと打ち合わせをして文字を刻むことになりますが、戒名は位牌と確認したり、原稿に間違いが無いかを複数の人が確認するなど、慎重に取り組む必要があります。
また、宗教上の関係などで必要ない言葉を刻むのは禁止されていたり、使えない言葉もあるようなので、このことも頭に入れておきましょう。

まとめ

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墓石に刻む「文字」を中心に調べてみたところ、次のようなことがわかりました。

1)墓石の文字は古くは経文や梵字が刻まれていたが、
  その後武士階級が戒名や法名を刻むようになった。
2)現在よく見る「○○家之墓」という文字は明治時代以降に
  広まった。
3)お墓の正面や側面・裏面と場所によって刻む文字(内容) が
  決まっている。
4)近年では、故人の好きな言葉や家族の「思い」が表現された
  言葉や文字などが記されるようになってきた。
5)墓石に文字を刻む際には、修正不可能なため、刻む漢字や言葉を間違わないよう
  十分配慮する必要がある。

お墓やそこに刻まれる文字は、時代によって変化してきました。
刻むイラストや言葉で、個性を感じる墓石も見受けられます。
しかし、ご先祖様を敬いお墓参りを行う日本人の心はいつまでも変わることは無いでしょう。

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