世界遺産に登録されている日本のお寺ってどれだけあるの?

日本には数々の由緒あるお寺が存在します。その歴史的価値などが評価され、世界遺産に登録されているお寺も少なくありません。では、日本で世界遺産に登録されているお寺はどれだけあるのでしょうか?この記事では世界遺産に登録されている日本のお寺についてまとめてみました。

世界遺産に登録されているお寺ってどれだけあるの?

日本で世界遺産に登録されているものは20件(文化遺産16件、自然遺産4件)です。

この記事では、そのうち、お寺が対象となっている世界遺産をご紹介していきます。
それでは、1件ずつ見ていきましょう!
※見出しにある()内は世界遺産に登録された年です。

①法隆寺地域の仏教建造物(1993年)

法隆寺 五重塔

法隆寺 五重塔

構成資産は奈良県生駒郡斑鳩町にある次の2資産。

法隆寺(ほうりゅうじ)
法起寺(ほうきじ)

1つ目の世界遺産は、法隆寺と、法起寺の2つのお寺です。
法隆寺はとても有名なのでよしとして、法起寺についてはあまり聞いたことがないですよね。
どんなお寺かというと。。。
法起寺は別名、岡本尼寺、岡本寺、池後寺、池後尼寺と呼ばれています。

この寺は、推古14年(606)に聖徳太子が法華経を講説されたという岡本宮を寺に改めたものと伝えられ、法隆寺、四天王寺、中宮寺などと共に、太子御建立七ヵ寺の一つにかぞえられています。

聖徳太子ゆかりのお寺だったのですね。
ちなみにちょっとしたエピソードも。。。
『正倉院文書』や『日本霊異記』にも見られ、奈良時代には相当栄えていたようですが、平安時代から法隆寺の指揮下に入り、寺運も徐々に哀微しましたが、鎌倉時代には講堂や三重塔が修復されています。しかし、室町時代に再び衰え、江戸時代のはじめごろには三重塔のみを残すのみであったといわれています。

その荒廃を憂い、当寺の再興を発願した寺僧の真政圓忍とその弟子たちは、延宝6年(1678)に三重塔を修復しました。それ以降も、寺僧たちの努力によって浄財を集め、元禄7年(1694)に講堂を再建、文久3年(1863)に聖天堂を建立し、現在の寺観が整えられています。

興隆・衰退を繰り返した歴史があるなか、この由緒あるお寺を守ろうという関係者の方の努力があったからこそ、今回の世界遺産登録につながったのですね。感動のエピソードでした。
法起寺 三重塔

法起寺 三重塔

②古都京都の文化財(1994年)

鹿苑寺(金閣)

鹿苑寺(金閣)

点在する17か所の寺社と城郭で構成される。現在の構成遺産は、国宝建造物(★)があるか、庭園が特別名勝(◎)に指定されているものだけで構成されている(清水寺の一部として指定されている地主神社(重要文化財)・延暦寺の一部として指定されている比叡山(史跡・一部は天然記念物)を除く)。一部は特別史跡(■)にも指定されている。

賀茂別雷神社(上賀茂神社)(★)
賀茂御祖神社(下鴨神社)(★)
教王護国寺(東寺)(★)
清水寺(★)
現在は分離している地主神社を含む。
延暦寺(★)
広範囲に及ぶ境内地(比叡山)の全てを含む。
醍醐寺(★)
院家(塔頭)寺院の三宝院(★・◎・■)を含む。
仁和寺(別称・御室御所)(★)
平等院(京都府宇治市にある。)(★)
宇治上神社(京都府宇治市にある。)(★)
高山寺(★)
西芳寺(別称・苔寺)(◎)
天龍寺 (◎)
鹿苑寺(相国寺塔頭、別称・金閣寺)(◎・■)
慈照寺(相国寺塔頭、別称・銀閣寺)(★・◎・■)
龍安寺(妙心寺塔頭、石庭が世界的に有名。)(◎)
西本願寺(本願寺)(★・◎)
二条城(★・◎)

清水寺

清水寺

さすが古都京都というだけあって、一度に見て回るのが大変そうなくらい登録されているお寺がたくさんありますね。
17件のうち、13件がお寺と、多くのお寺が登録されています。

さて、次は京都と双璧をなす古都、奈良です。

③古都奈良の文化財(1998年)

奈良の大仏(東大寺)

奈良の大仏(東大寺)

構成資産は奈良県奈良市に点在する次の8資産。

1.東大寺(とうだいじ)
2.春日大社(かすがたいしゃ)
3.春日山原始林(かすがやまげんしりん)
4.興福寺(こうふくじ)
5.元興寺(がんごうじ)
6.薬師寺(やくしじ)
7.唐招提寺(とうしょうだいじ)
8.平城宮跡(へいじょうきゅうせき)

こちらも京都に勝るとも劣らない歴史ある施設が世界遺産に登録されています。
奈良も京都も長い長い歴史を持つ古都だけに、観光するのが大変なくらい遺跡がたくさんあって驚かされます。

ちなみに、登録されているお寺は5か所でした。

④日光の社寺(1999年)

 日光は、徳川初代将軍家康の霊廟である東照宮が1616年に造営されて以来、徳川幕府の聖地となりました。東照宮は、その後1636年に全面的に大規模な造り替えが行われ、現在の規模・構造になりました。さらに、1653年には3代将軍家光の霊廟である大猷院が造営されました。8世紀以来、日光は男体山を中心とする山岳信仰の聖地であり、山麓や中禅寺湖畔にははやくから社寺が営まれていました。
日本有数の観光スポットである日光。

ここでは、どんなお寺が世界遺産に登録されているのでしょうか?

構成資産は、2社1寺に属する103棟の建築物群と周辺の景観遺跡。

1.二荒山神社(ふたらさんじんじゃ)
2.東照宮(とうしょうぐう)
3.輪王寺(りんのうじ)

日光東照宮

日光東照宮

日光東照宮の三猿

日光東照宮の三猿

世界遺産に登録されている3つの社寺だけでなく、華厳の滝やいろは坂の紅葉など、素晴らしい自然に触れ合えるのも魅力ですよね。

ここでも1つのお寺(輪王寺)が世界遺産に登録されています。

⑤紀伊山地の霊場と参詣道(2004年)

金剛峯寺 大門

金剛峯寺 大門

 紀伊山地は太古の昔から自然信仰の精神を育んだ地で、6世紀に仏教が伝来した以降、紀伊山地は真言密教を始めとする山岳修行の場となりました。中でも、山岳修行により超自然的能力を獲得することを目的として10世紀中ごろから11世紀代に成立した修験道は、特に大峰山系の山岳地帯を中心的な修行の場としていました。
構成資産は和歌山県、奈良県、三重県にまたがる次の資産群。

吉野大峰
1.吉野山(よしのやま)
2.吉野水分神社(よしのみくまりじんじゃ)
3.金峯神社(きんぷじんじゃ)
4.金峯山寺(きんぷせんじ)
5.吉水神社(よしみずじんじゃ)
6.大峰山寺(おおみねさんじ)

熊野三山
1.熊野本宮大社(くまのほんぐうたいしゃ)
2.熊野速玉大社(くまのはやたまたいしゃ)
3.熊野那智大社(くまのなちたいしゃ)
4.青岸渡寺(せいがんとじ)
5.那智大滝(なちのおおたき)
6.那智原始林(なちげんしりん)
7.補陀洛山寺(ほだらくさんじ)

高野山
1.丹生都比売神社(にうつひめじんじゃ)
2.金剛峯寺(こんごうぶじ)
 伽藍地区、奥院地区、大門地区、金剛三昧院地区、徳川家霊台地区、本山地区
3.慈尊院(じそんいん)
4.丹生官省符神社(にうかんしょうふじんじゃ)

参詣道
1.大峰奥駈道(おおみねおくがけみち)
 玉置神社を含む
2.熊野参詣道(くまのさんけいみち)
 熊野川、七里御浜、花の窟を含む
3.高野参詣道(こうやさんけいみち)

こちらでは、6つのお寺が世界遺産に登録されています。

余談ですが、「道」が世界遺産として登録されるのは珍しく、スペイン~フランスにまたがる巡礼道「サンディアゴ・デ・コンポステラへの道」に次ぐ2件目のことだそうです。

⑥石見銀山遺跡とその文化的景観(2007年)

羅漢寺の石窟

羅漢寺の石窟

石見銀山遺跡は日本海に面する島根県のほぼ中央に位置し、石見銀の採掘・精錬か ら運搬・積み出しに至る鉱山開発の総体を表す「銀鉱山跡と鉱山町」、「港と港町 」、及びこれらをつなぐ「街道」から成っています。
構成資産は島根県のほぼ中央に点在する次の14資産。

銀鉱山跡と鉱山町
1.銀山柵内(ぎんざんさくのうち)
2.代官所跡(だいかんしょあと)
3.矢滝城跡(やたきじょうあと)
4.矢筈城跡(やはずじょうあと)
5.石見城跡(いわみじょうあと)
6.大森銀山(おおもりぎんざん)重要伝統的建造物群保存地区
7.宮ノ前地区(みやのまえちく)
8.熊谷家住宅(くまがいけじゅうたく)
9.羅漢寺五百羅漢(らかんじごひゃくらかん)

鉱山と港をつなぐ街道
10.鞆ケ浦道(ともがうらどう)
11.温泉津沖泊道(ゆのつおきどまりどう)

銀を積み出した港と港町
12.鞆ケ浦(ともがうら)
13.沖泊(おきどまり)
14.温泉津(ゆのつ)重要伝統的建造物群保存地区

こちらはお寺そのものというよりは、「羅漢寺」というお寺にある「五百羅漢」という石像が対象になっています。
それでは、五百羅漢の概要を見てみましょう。
石見銀山遺跡にユニークな雰囲気を作る石窟五百羅漢は、 1741年~ 1743年に月海浄印というお方が発願されました。
昔銀山で働いて亡くなった人々の霊を供養するためにと我々の祖先の人々、大森代官所の役人、当時の代官、八代将軍徳川吉宗の次男田安中納言宗武卿(むねたけきょう)の援助で田安家奥御殿の女中など多くの人々の寄進により明和 3年(1766) 3月、25年も掛けて完成しました。
また、これに併せて五百羅漢を護るために無量寿院(むりょうじゅいん)羅漢寺を建立し、御本尊阿弥陀(無量寿)如来、不動明王、愛染明王、過去・現在・未来の三世の悪因を断除される降三世(ごうさんぜ)明王(秘仏 / 文化財)、国家平安と衆生擁護をつかさどる大元師(だいげんすい)明王(秘仏 / 文化財)を安置しております。
五百羅漢を護るためのお寺として羅漢寺が創建されたので、お寺というよりも五百羅漢が世界遺産の構成資産に指定されたということですね。
すごくピンポイントで不思議に思いましたが、その理由がよくわかりました。

⑦平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―(2011年)

中尊寺金色堂

中尊寺金色堂

平泉は、11世紀~12世紀の日本列島北部領域において、仏教に基づく理想世界の実現を目指して造営された政治・行政上の拠点です。
 その拠点に存在する4つの庭園は、奥州藤原氏により、現世における仏国土(浄土)の象徴的な表現、つまり池泉・樹林・金鶏山頂と関連して仏堂を周到に配置することにより実体化した理想郷の光景として造営されました。4つの庭園のうち3つは、神聖な山である「金鶏山」に焦点を合わせており、浄土思想の理想と、庭園・水・周辺景観の結びつきに関する日本古来の概念との融合を例証しています。また、浄土庭園のうち2つは、発掘調査により発見された多くの詳細事項に基づき復元されたものであり、他の2つは現在も地下に埋蔵されたまま残されています。さらに、重厚に金箔を貼った中尊寺の仏堂は、12世紀から残る唯一のものであり、奥州藤原氏の巨大な富を反映しています。
構成資産は次の5資産。

1.中尊寺(ちゅうそんじ)
 中尊寺金色堂(国宝)
 金色堂覆堂(重要文化財)
 中尊寺経蔵(重要文化財)
 白山神社能舞台(重要文化財)
 中尊寺境内(特別史跡)
2.毛越寺(もうつうじ)
 毛越寺境内附鎮守社跡(特別史跡)
 毛越寺庭園(特別名勝)
3.観自在王院跡(かんじざいおういんあと)
 毛越寺境内附鎮守社跡(特別史跡)
 旧観自在王院庭園(名勝)
4.無量光院跡(むりょうこういんあと)
 無量光院跡 (特別史跡)
5.金鶏山(きんけいざん)
 金鶏山(史跡)

奥州藤原氏が当時戦乱が絶えなかったことを憂い、仏教に基づく平等主義と平和主義による理想郷を目指して築かれた平泉では、5つの世界遺産が登録されました。

登録されたのも2011年とごく最近なので、ニュース等で目にした方も多いのではないでしょうか。

こちらでは、中尊寺、毛越寺の2つのお寺が世界遺産の対象となっています。

結局、お寺の数はいくつある?

これまで世界遺産に登録されているもののうち、お寺が含まれるものをピックアップしてきましたが、結局この中にお寺はいくつあったのでしょうか。

数えてみると、なんと30か所(※)ありました!
※羅漢寺五百羅漢もお寺としてカウントした場合

1 法隆寺(ほうりゅうじ)
2 法起寺(ほうきじ)
3 教王護国寺(きょうおうごこくじ)
4 清水寺(きよみずでら)
5 醍醐寺(だいごじ)
6 仁和寺(にんなじ)
7 高山寺(こうざんじ)
8 西芳寺(さいほうじ)
9 鹿苑寺(ろくおんじ)
10 慈照寺(じしょうじ)
11 天龍寺(てんりゅうじ)
12 龍安寺(りょうあんじ)
13 本願寺(ほんがんじ)
14 平等院(びょうどういん)
15 延暦寺(えんりゃくじ)
16 東大寺(とうだいじ)
17 興福寺(こうふくじ)
18 元興寺(がんごうじ)
19 薬師寺(やくしじ)
20 唐招提寺(とうしょうだいじ)
21 輪王寺(りんのうじ)
22 金峯山寺(きんぷせんじ)
23 大峰山寺(おおみねさんじ)
24 青岸渡寺(せいがんとじ)
25 補陀洛山寺(ほだらくさんじ)
26 金剛峯寺(こんごうぶじ)
27 慈尊院(じそんいん)
28 羅漢寺(らかんじ)五百羅漢
29 中尊寺(ちゅうそんじ)
30 毛越寺(もうつうじ) 

もちろん、世界遺産に登録されていないお寺の中にも素晴らしいものがたくさんありますが、お寺好きの方は一つのテーマとして捉え、全30か所を制覇してみるのも一興ですね。
私も寺社仏閣めぐりが好きなので、ぜひチャレンジしてみたいと思います!

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