初詣などで神社にお参りに行った時、お賽銭箱にお賽銭を入れますよね。ふと考えると、その由来はどのようなものだったのでしょうか。また、その時にいくらくらい入れるのが「縁起が良い」のでしょうか。調べてみました。
お賽銭の由来。
現代では、「お賽銭」と言えばお金のことを指し、賽銭箱にお金を入れる方法が定着しています。
しかし、もともとは金銭を奉納するのではなく、「珍しい物・その人にとって大切なもの」を奉納することが一般的でした。当初は、主に金や銀、そして大量のお米が奉納され、「散米」と呼ばれていました。
しかし、日本でも貨幣通貨が出回りはじめ、徐々に「物」を施すのではなく、お金を入れる形式に変わっていきました。
日本では、室町時代頃からお賽銭が金銭に変わっていったと言われています。
それがお金になったとのことですが、個人的にはそれはそれで少し寂しいような気がします。
しかもいま、賽銭箱に電子マネーが使えるものがあるってご存知ですか?
お買い物のときのように、金額を入力してピッとするんです。
時代って変わってきたんですね。
しかし、そのお賽銭って何に使われているんでしょうか。気になります。
お賽銭って何に使われているの?
建物の維持費
神社には立派な境内や鳥居があります。
そういった建物は、一度建てたら終わりではなく、時とともに老朽化していきます。賽銭箱もそうです。
毎日のようにお賽銭が投げ込まれるわけですから、すぐに傷んでしまいますよね。建物を維持していくためには、定期的な修繕やメンテナンスが必要ですし、それらは決して安い金額ではありません。
参拝者から得たお賽銭は、神社の維持に使われています。
また、より多くの参拝者を呼び込めるように建物を増築する用途にも使われているのでしょう。
入園料のようなものがないので当然それはお賽銭で賄われているんですね、
簡易トイレの設置からゴミの処理
お賽銭は建物の修理保全や管理維持、お祭りの実行費用などに使われているようです。お賽銭は、法律で神社の代表や役員などに会計を報告する義務があるそうで、すべてが神職の収入になることはないようです。想像してみると、由緒ある神社や大きい神社であるほど管理は大変そうですね。簡易トイレの設置からゴミの処理、交通誘導員の確保など、いろいろな経費が考えられます。明治神宮では、お正月の三が日にかけて毎年300万人以上が参拝するといいますから、お賽銭を勘定するだけでも気が遠くなりそうです!ちなみにお勘定をする際は、取引銀行の行員を何人か助っ人に呼んで神主さんと一緒にお勘定するそうです。
有名な神社はお賽銭も多く集まりますがゴミの処理や警備など合わせると結構大きなお金が必要となってきます。
私は年末に初詣用にと、5円玉を集め始めるんですが、いつも気になるのがほかの人はいくらお賽銭を
入れているんだろう・・・ということ。
家族に聞いてみたところ、同じ家族でも金額に結構差があったのが衝撃でした。
いったいどのくらいの金額が平均的なんでしょうか。
お賽銭の額には地域差がある。
2011年の初詣1人当たりのお賽銭の金額は、全国平均で149.3円だったそうです。男女別に見ると、男性平均が168.2円で、女性平均は135.8円。お賽銭を通してみても女性の方が現実的といえるのかも?都道府県別にみると、もっとも金額の多いのが福井県の238.9円。以下、奈良県208.7円、石川県200.9円と続いており、もっとも金額が少ないのが徳島県の90.0円。けっこう開きがありますね!地域によっては倍以上の差があることに驚きました。
小銭を入れるという方の平均値だからでしょう。福井県、奈良県の方は気前がいいんですね。
穴の空いたお金が縁起がいい。
「5円」や「50円」のような「穴あき銭」は縁起が悪いという人もいます。しかしこれも考えかたは多様で「穴あき銭は穴があいているから見通しが良い」と考えている人も多いです。
先行きの見通しがいいという意味ですね。調べて見たところ、穴あき銭は縁起が悪いという人はほんの一部で、やはり一般的には5円玉や50円玉をお賽銭に使うのは縁起が良いとされているようです。
10円はお賽銭にしちゃだめってホント??
合田道人氏の著書『神社の謎』(※)によれば、お賽銭の額を問うあるアンケートで「10円」と回答した人が一番多かったとのこと。しかし合田氏は、お賽銭に10円はダメ! とバッサリ。その理由は、10円は“とおえん”とも読むことから。“とおえん”とはつまり、“遠縁”であり、縁が遠のいてしまいます。これは恋愛成就などの縁だけの話ではなく、家族も健康も、昇進やお金などの良い話も、すべては縁が引き寄せるもの。縁が遠くなってしまっては、せっかくお参りに行っても意味がないですよね。
でも、10円玉に1円玉を組み合わせると縁起が良くなるという話も。
一番安い硬貨である1円玉ですが、お賽銭の際にあるととても助かる硬貨です。
なんせ、10円玉と組み合わせることで、縁起のいい数字にできます。11円:「いいご縁」という意味
21円:すでにご縁に恵まれたカップルや夫婦で投げると二人の縁が切れないという意味でいい
31円:21円と同じ意味
41円:「よいご縁」という意味また、日本では結婚式のご祝儀を3万円や5万円など奇数にする習慣があることからもわかりますが、奇数は割り切れない数字=縁が切れない数字です。1円を添えることで必ず奇数になりますのでそういう意味でも縁起が良い硬貨と言えます。
金額の問題ではないんです。
しかし、縁起を担いでみたいという気持ちはとてもよくわかります。
1年にそう何度も行くものではないと思いますので、事前にご自身の思う金額を用意しておくのがいいでしょう。
私も穴あきのお金を用意しておくことにします。