奈良や厳島にたくさん生息していることで良く知られるシカですが、実はかつては神の使いとして人々に崇められていたことをご存知でしたでしょうか。ただ単にかわいいだけではないシカの知られざる歴史をまとめました。
鹿の会える場所
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他には山なら大抵の場所で会えるようですが、オスは危険なので注意したいところです。
しかし昨今、シカは害獣呼ばわりされる傾向にあります。その原因は以下の通りです。
しかし昨今、シカは害獣呼ばわりされる傾向にあります。その原因は以下の通りです。
実はシカは国内では最も被害の大きい
困った動物でもあります。草食動物であるシカは、非常に多くの種類の植物を
食べあさり、穀物でも野菜でも果物でも、
あらゆる農作物を食害します。さらに、増えすぎたシカは田んぼや畑のみならず、
山野の植物をも食べ尽くしてしまいます。自分の背の届く高さ以下の植物は食べ尽くしてしまい、
それでも食べる物が無くなると、落ち葉すら
食べてしまうので表土が無くなってしまうのです。
しかしながら、シカはそもそも神の使いだったのです。
だから奈良の重要な場所の周辺や厳島神社周辺で飼われているわけです。
だから奈良の重要な場所の周辺や厳島神社周辺で飼われているわけです。
鹿は神の使い
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そうそう、なぜ奈良公園に鹿がいるのかといいますと、春日大社が祀る「武甕槌命(タケミカヅチノカミ)」が白鹿に乗ってやってきたことから、ここでは鹿が神使とされているのです。ですから鹿は神聖な存在。
でもやっぱり角は怖いということで、毎年この季節には「鹿の角きり」という行事が行われます。このときは行事の前だったのですが、鹿たちの角は既にありませんでした。
厳島の鹿
常陸の鹿島神宮では鹿を神の使いとする。
祭神の武甕槌命へ、鹿神である天迦久神が天照大御神の命を伝えにきたことに由来するという。
また、武甕槌命を祀る藤原氏による奈良の春日大社の創建に際し、神霊を白鹿の背に乗せ、一年をかけて奈良まで運んだとされる。
ゆえに春日大社でも鹿は神の使いとなっている。
宮島(厳島)のシカは神の使い「神鹿(しんろく)」として神聖視されています。どこか、奈良の鹿と似ていると思われた方は鋭いですね。戦後、鹿が激減した頃に奈良公園から移ってきたものもいるらしいのです。
ちなみに直接の原因はGHQのハンティングだったそうで、ここでも奈良の鹿とつながりが出てくるのは興味深いですね。ところで、広島といえば、毛利元就ですが、こんなエピソードpもあります。
厳島の合戦
厳島合戦といえば毛利VS陶の大決戦で、兵力が5倍くらい離れていたようです。
そこを毛利が逆転するから伝説になったわけですが、それにはシカの伝説が組み込まれていたようです。
そこを毛利が逆転するから伝説になったわけですが、それにはシカの伝説が組み込まれていたようです。
「撰集抄」(せんしゅうしょう):宮島に多くの鹿がいることが記されています。「陰徳太平記」(いんとくたいへいき):厳島合戦の檻、毛利元就が闇夜に乗じて包ヶ浦に上陸したところ、一匹の鹿が現れ、元就主従を道案内してくれたとあります。
その後陶軍に奇襲をかけて奇跡の大勝利を収めたという、嘘みたいな話ですが、これには続きがあります。
毛利元就は、尼子とともに対立していた大内家の重臣・陶晴賢と対決するため、陶の領地でもあった宮島に城を築きおびき寄せた。陶は城を攻めるために軍勢を率いて上陸したが、毛利軍は陶軍の裏から上陸し、陶軍を破った。この時、鹿が毛利軍の道案内をしたという伝説が伝えられているが、最新の研究では事前に宮島の地理に詳しい厳島神社の神官が案内したのではないかという説が有力になっている。
つまり、道案内を味方につけていたから勝てたというわけですが、「神官=シカ」というあたり、いかにシカが縁起のいいものとしてとらえられていたかわかるのではないのでしょうか。
え!?シカを殺したら死刑?
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江戸時代ごろには、鹿を殺したら、わざとじゃなくても死刑になったとか。
1473年 神鹿(しんろく)を殺した3名が死刑(しけい)にされた。(神鹿→ 神様の使いとされる奈良のシカのこと)
1580年 織田信長(おだのぶなが)がシカを殺しの犯人(はんにん)を知らせた者に賞金をあたえ、犯人を処刑(しょけい)した。
ただ、これは記録が怪しいそうですが、しかしどちらにせよそれだけ神聖な物だったのは間違いないですね。また、こんな落語もあります。
現在でも鹿は奈良の名物であるが、かつては鹿が『神獣』とされていた事もあって、現在からみると想像を絶するほどの手厚い保護が行われていた。ちょっと叩いただけでも罰金、もし間違って殺そうものなら、男なら死罪、女子供なら石子詰めという、当時の最高刑が待っていた。
こうした話がある位鹿は大事にされていたようです。神の使いとのことですから、私たちも大事にしてあげたいですよね。