桜の名所としてとても有名な和歌山市の紀三井寺。その魅力は桜だけではありません。ある歴史上の有名人も魅了しました。寺社好きの方も歴史好きの方も必見のお寺です。
紀三井寺とは
紀三井寺は、今からおよそ1230年前昔、奈良朝時代、光仁天皇の宝亀元年(AD770)、唐僧・為光上人によって開基された霊刹です。
為光上人は、伝教の志篤く、身の危険もいとわず、波荒き東シナ海を渡って中国(当時の唐国)より到来されました。
そして諸国を巡り、観音様の慈悲の光によって、人々の苦悩を救わんがため、仏法を弘められました。行脚の途次、たまたまこの地に至り、夜半名草山山頂あたりに霊光を観じられて翌日登山され、そこに千手観音様の尊像をご感得になりました。
上人は、この地こそ観音慈悲の霊場、仏法弘通の勝地なりとお歓びになり、十一面観世音菩薩像を、自ら一刀三礼のもとに刻み、一宇を建立して安置されました。それが紀三井寺の起こりとされています。
宝亀元年(770)に唐の僧為光上人が日本で旅しているなかで、この地に寺を創建し、自作の十一面観音像を本尊としたとされます。現在の本堂は、棟札によれば宝暦9年(1759)に大衆の協力によって建立されたもので、桁行五間、梁間五間、正面に三間の向拝をもつ入母屋造の本瓦葺の建物です。
紀三井寺に参拝しよう
アクセス方法
住所〒641-0012 和歌山県和歌山市紀三井寺1201 交通•JR紀勢本線(きのくに線)紀三井寺駅 下車約10分
•南海電鉄 和歌山市駅より和歌山バス海南方面行き乗車
•紀三井寺バス停下車徒歩10分
駐車場有 (約30台) 拝観料大人一人200円 子供100円 拝観時間8:00〜17:00 (寺務取扱等は下記納経時間内) 納経時間8:00〜17:00
お寺が運営している駐車場は「3時間300円」で利用可能です。
紀三井寺の見どころ
お花見の名所
紀三井寺の境内には約500本の桜の木が植えられています。特に京阪神では、当寺は早咲き桜の名所として有名で、開花宣言の目安となる和歌山地方気象台指定の標本木(ソメイヨシノ)が本堂前にあることから、「近畿地方に春を呼ぶ寺」として、3月も半ばとなるとマスコミ等の注目を集めます。
500本の木は圧巻です。
近畿地方の開花宣言はこちらの桜を基準にしているのですね。
近畿地方の開花宣言はこちらの桜を基準にしているのですね。
早咲きの桜として有名で、また西国第2番の札所でもあり、巡礼姿のお遍路さんが杖をつきながら、ひたむきなまなざしでお参りしているのが見受けられます。 名前の由来は、三つの井戸「吉祥水(きっしょうすい)」「楊柳水(ようりゅうすい)」「清浄水(しょうじょうすい)」から来ています。
お守り
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あの歴史人物のエピソードが!?
紀伊國屋文左衛門
via edo-g.com
江戸時代の豪商・紀ノ国屋文左衛門は、若い頃にはここ紀州に住む、貧しいけれど孝心篤い青年でした。
ある日、母を背負って紀三井寺の表坂を登り、観音様にお詣りしておりましたところ、草履の鼻緒が切れてしまいました。
困っていた文左衛門を見かけて、鼻緒をすげ替えてくれたのが、和歌浦湾、紀三井寺の真向かいにある玉津島神社の宮司の娘「おかよ」でした。
これがきっかけとなって、文左衛門とおかよの間に恋が芽生え、二人は結ばれました。
結縁坂
俳諧の舞台にも
via www.e-net.or.jp
江戸時代の俳人・松尾芭蕉は、せっかく花見を期待してきたのに、既に散り始めていた桜を仰いで「みあぐれば 桜しもうて 紀三井寺」 と詠んでいる。
終わりに
このように紀三井寺は桜以外にも見どころがいっぱいです。
紀ノ国屋文左衛門にあやかって恋愛のご利益を求めても良し、
家族や友人でお花見を見に行くのもいいでしょう。
紀ノ国屋文左衛門にあやかって恋愛のご利益を求めても良し、
家族や友人でお花見を見に行くのもいいでしょう。
鮮やかな朱色が美しく、桜とのこコントラストも見ものです。