ナマハゲ!お正月の行事【来訪神(らいほうしん)】って何?

お正月に行われる秋田県・男鹿(おが)地方の「ナマハゲ」は、全国でも有名な民俗行事は「来訪神行事」と呼ばれ、国の重要無形民俗文化財に指定されています。全国でも来訪神行事は行われ、ユネスコ無形文化遺産候補として申請しました。

来訪神行事とは?(男鹿のナマハゲを例に)

来訪神行事「男鹿のナマハゲ」

来訪神行事「男鹿のナマハゲ」

お正月には一般的な年神さまの他に、どこからともなくやって来る不思議な神さまたちもいます。こうした神さまを迎えるのは、家というよりも地域(村)。年に一度、その地域を訪れて人々に幸せをもたらす、そんな神さまのことを、民俗学では「まれびと神」とか「来訪神」と呼んでいます。
その代表的なものが、秋田のナマハゲ。「悪い子はいねがー」と叫びつつやってくる鬼のような存在で、地元でもその由来については様々な言い方をしていますが、本質的な部分では神さまなのです。ナマハゲのような来訪神は、秋田だけでなく、北日本の日本海側には数多く分布しています。
なまはげの語源については、かなり真実性のある解釈がなされている。囲炉裏(いろり)にあったてばかりいる、怠け者の手足にできた火型を火斑(ナモミ)といい、そのナモミを剥いて懲らしめ、真面目な人間にしてやるという意味で、ナモミ剥ぎがなまって「なまはげ」になったという。
しかしなまはげは、こうした怠け者を懲らしめるという意味だけではとらえられないものがある。なまはげの装束であるケデから落ちた藁くずは無病息災の護符ともされてきた。つまりなまはげが神聖なものであるという信仰がそこに強く現れているとみれる。
ナマハゲが四股(しこ)を踏み、家の中で大声をあげ歩き回っている間、
家の主は機嫌をとり、お膳の前に座ってもらいお酒や料理で大いにもてなします。

その席で、ナマハゲは家内安全、無病息災などを祈り、
お年寄りには長寿などを祝う言葉をかけくれます。
そして、家を立ち去る前に「来年もまた来るぞ!」と次の家へ向かっていきます。

ナマハゲは神の使いとして里の家々を訪れて、災いを払い、
豊作や豊漁などをもたらしてくれる「来訪神」なのです。

普段でもナマハゲ行事を体験できる場所

なまはげ館

なまはげ館

ユネスコ無形文化遺産候補に申請した「来訪神行事」をご紹介します。

男鹿のナマハゲ行事についてまとめてみましたが、あと7つ、
ユネスコ無形文化遺産候補には「来訪神行事」があります。
いずれも国の重要無形文化財に指定されています。

甑島のトシドン(鹿児島県薩摩川内市)~すでにユネスコ無形文化遺産に登録
能登のアマメハギ(石川県輪島市・能登町)
宮古島のパーントゥ(沖縄県宮古島市)
遊佐の小正月行事(アマハゲ)(山形県遊佐町)
米川の水かぶり(宮城県登米市)
見島のカセドリ(佐賀県佐賀市)
吉浜のスネカ(岩手県大船渡市)

それぞれの特徴などを北から南へとご紹介しましょう。

遊佐(ゆざ)の小正月行事(アマハゲ):山形県遊佐町

遊佐(ゆざ)の小正月行事(アマハゲ):山形県遊佐町

アマハゲは秋田の「なまはげ」とよく似た行事です。
起源はどちらも一緒らしいと言われていますが、遊佐町では「アマハゲ」と言います。
衣装の体裁、面、小道具などはそれぞれ微妙に違います。
「なまはげ」と同様に各家庭を回り、怠惰を戒めて歩きます。
1日(滝ノ浦地区)、3日(女鹿地区)、6日(鳥崎地区)でそれぞれ行われます。
吉浜(よしはま)のスネカ:岩手県大船渡市

吉浜(よしはま)のスネカ:岩手県大船渡市

大船渡市三陸町吉浜で、毎年1月15日に行われる小正月の奇習。鬼に似たお面をかぶったスネカが地区の家々を回り、子どもたちの成長と五穀豊穣、豊漁を祈る。スネカの由来は、囲炉裏やコタツに入ってばかりいて怠けている者の脛(すね)に付いた、火の斑を剥ぎ取ってしまう、といった意味の「スネカワタグリ」とされる。
米川(よねかわ)の水かぶり:宮城県登米(とめ)市

米川(よねかわ)の水かぶり:宮城県登米(とめ)市

毎年2月、初午の日に800年以上の歴史と伝統を誇る火伏せ行事「米川の水かぶり」が東和町米川地区で催されます。
この祭りには、厄年を迎えた人を中心に五日町地区の男性が参加。かまどのすすを顔に塗り、ワラで作った水かぶり装束を身にまとい、大慈寺境内にある秋葉大権現に火伏せを祈願します。
お神酒を頂いて神の使いとなった一行は、奇声をあげて各家庭の屋根に向かってバケツやおけの水をかけながら町を練り歩きます。また、ワラは火難除けのお守りとされているため、地域の人たちはまとった装束からワラを抜きとり、家の屋根に投げ上げます。
能登のアマメハギ:石川県輪島市能登町

能登のアマメハギ:石川県輪島市能登町

囲炉裏や火鉢に長くあたっているとできる火だこ(温熱性紅斑)のことをアマメと言い、怠け者の証しとされている。これを剥ぎ取る妖怪がアマメハギである[1]。類似の行事は日本各地に伝わっており特に裏日本に多く秋田県男鹿のなまはげや山形県遊佐町のアマハゲと類似する。また福井県にはあっぽっしゃなどの呼び名でも分布する。
能登地方では、正月と小正月の1月6日・14日・20日に輪島市の各地区で、節分の日に能登町で行われ、若者や子供が仮面を被って家々を回る。農閑期の終わりを前に、農民を管理していた当時の役人が農民達の怠惰を戒める為に鬼のような形相で各戸を訪問してきたことがルーツとされている。
見島(みしま)のカセドリ:佐賀県佐賀市

見島(みしま)のカセドリ:佐賀県佐賀市

見島のカセドリは,佐賀市蓮池町の見島地区に伝わる小正月の来訪神の行事で,笠を被り,藁蓑をつけたカセドリと呼ばれる青年二人が地区内の家々を順番に訪れる。カセドリは,玄関口から勢いよく家の中に飛び込むと,下半分を割り裂いた長さ2メートル程の青竹を畳や床などに激しく打ちつけて悪霊を祓い,それによって一年の家内安全や五穀豊穣が祈願される。北九州地方における代表的な小正月の来訪神行事であり,カセドリが悪霊を祓う所作などに地域的特色も顕著である。
甑島(こしきじま)のトシドン:鹿児島県薩摩川内(さつま...

甑島(こしきじま)のトシドン:鹿児島県薩摩川内(さつませんだい)市

昭和52年5月7日に国の無形民俗文化財に登録されました。
平成21年9月30日にはユネスコの無形文化遺産にも登録されました。
トシドンとは・・・毎年12月31日(大晦日)の夜、家々を訪れる祝福の神様です。
下甑の各地では、トシドンは天空や高い山や岩の上から、首のない馬に乗ってくると言われています。
シュロの皮やソテツの葉などを使い、鼻の長い恐ろしい顔をしたトシドンが、3歳~8歳の子どもがいる家々を訪れ、外から「おるか、おるか、○○はおるか!来て障子を開けー!」と言って家に入ります。
子どもたちの日ごろの良いところを褒めたり、諭したり、歌を歌わすなどして、最後に年餅と呼ばれる大きな餅を与えて去っていきます。
宮古島のパーントゥ:沖縄県宮古島市

宮古島のパーントゥ:沖縄県宮古島市

旧暦の9月吉日の2晩、宮古島市平良島尻(みやこじまし・ひらら・しまじり)では、伝統祭祀(さいし)で国指定重要無形民俗文化財のパーントゥが行われます。パーントゥは、本来は怪物、化け物を意味する方言ですが、悪霊や災いを祓い(はらい)、ムラ人に幸せや豊穣(ほうじょう)をもたらしてくれる来訪神(らいほうしん)とされています。
 パーントゥは、ウヤ(親)パーントゥ、ナカ(中)パーントゥ、ツァ(子)パーントゥの三体存在します。パーントゥ役の人は、キャーン(シイノキカズラ)の衣装と仮面を身につけ、ンマリガー(「ンマリ」は生まれる。「ガー」は「井泉」のこと)といわれる古井泉(ふるせいせん)に入り、そこに溜まった泥を全身にぬり、そこでヒトから神へと変身するそうです。
  3体のパーントゥは、島尻集落の宗家にあたる3つの「ムトゥ」を訪れて一礼し、古老たちに泥をつけた後、荒々しく奇声をあげながら集落内を練り歩き、住民や新築の家に泥を塗りつけて、厄払いを行います。泥を塗ると悪霊を連れ去るとされています。
 また、宮古島市上野野原(うえの・のばる)のパーントゥは、旧暦12月最後の丑の日に行われます。野原のパーントゥは島尻集落とは異なり、小学校高学年の男子1人が面を被り、普段着の服装で集落を練り歩きます。その後ろからはホラ貝を吹く人、太鼓をたたく人、そのリズムに合わせてかけ声をかける婦人がついて歩きます。
これまで全国のさまざまな「来訪神行事」をご紹介しましたが、
その地方独特の風習として今に息づいていました。

季節の節目に現れ、人々を戒め、諭す。そして厄を払い、また、神の元へと帰っていきます。

怠惰な暮らしをしないで勤勉に生きれば、
家内安全、無病息災など福をもたらすのだと伝えに来訪するのでしょう。
来訪神のご利益を得るためには私たちの日頃の生き方が肝心だと思います。

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