「入梅」と「梅雨入り」は似た言葉ですが、全く別の意味があります。今回は、「入梅」の正しい意味とその由来を調べてみました!梅雨に関する豆知識もまとめましたので、ぜひ併せてご覧ください♪雨に対する意識が少し変わるかもしれません!
入梅の意味と由来、そして「梅雨入り」について
入梅(にゅうばい)6月11日頃(2017年は6月11日)。
昔は芒種の後の最初の壬(みずのえ)の日とされていましたが、現在は太陽黄径80度の日とされています。
芒種から数えて6日目頃。
暦の上での梅雨入り。
梅の実が黄色く色づき、梅雨 に入る頃を示します。実際の梅雨入りとは異なります。
この日から約30日間が梅雨の期間になります。農家にとっては、田植えの日を決めるうえでも、梅雨の時期を知ることは重要でした。昔は、今のように気象情報が発達していないため、江戸時代、目安として暦の上で入梅を設けたのだと考えられています。
「入梅」は、芒種の後の最初の壬〔みずのえ〕の日です。それは、陰陽五行説で「壬は水の気の強い性格」とされており、水と縁がある日ということで、入梅の時期の目安に選ばれました。
「入梅」は「暦の上で決められた梅雨入り」の日を指します。
実際の「梅雨入り」は地域や年によっても違ってきますが、昔は田植えの基準にする重要な目安だったことや水と緑にちなんだ日が選ばれていたそうです。
そもそも「梅雨」という言葉はいつから使われているのでしょうか
さて、「ばいう」が日本に渡ってきた後、日本で江戸時代頃から「つゆ」と呼ばれるようになったと言われています。
その根拠としては「日本歳時記」(1687年)に「これを梅雨(つゆ)となづく」とあります。
それ以前は五月雨(さみだれ)と言われており、源氏物語や松尾芭蕉の俳句にも「さみだれ」が見られます♪
「梅雨」から「入梅」という言葉も生まれて、「田植え」の時期の目安にもなる「入梅」が広く一般的に使われるようになったのかもしれません。
「梅雨入り」と「梅雨明け」の時期
現在、梅雨入りは沖縄で5月8日頃、東北で6月10~12日頃で、梅雨明けは沖縄で6月23日頃、東北で7月23~27日頃です。梅雨入りは、梅雨〔ばいう〕前線が日本の南岸に停滞し始める時のことをいい、日本・中国・韓国や東アジアの国々で見られる現象です。日本の北海道には梅雨がありません。寒気団と暖気団がぶつかると、暖かい空気は上に行こうとするため、前線付近には上昇気流が起きて雨雲が出来ます。しかも気団同士が同じくらいの力をもっているとお互い引こうとせず、その結果雨雲がずっとその地域に停滞してしまいます。これがいわゆる梅雨となります。しかし、北海道に着くまでには、気団同士の戦いも終わっていることが多く、そのため梅雨がありません。気団同士のぶつかりが長くなったとき、「蝦夷梅雨」といわれ少し雨が降りますが、気象学的にはこれらの現象は「梅雨」とはいいません。
ジメジメして過ごしにくく、苦手な人が多い時期ですが、情緒ある風景が楽しめるので梅雨が好きな方もいるかもしれませんね。
梅雨は東アジアのみの現象、そして北海道には梅雨が訪れない、という豆知識は誰かに話したくなりますね♪
梅雨と梅の関係
「梅雨」の語源には、いくつかの説がある。「梅の実が熟す頃に降る雨」という意味で、
中国の長江流域では「梅雨(ばいう)」と呼んでいたという説。
「黴(カビ)が生えやすい時期の雨」という意味で、
「黴雨(ばいう)」と呼んでいたが、カビでは語感が良くないので
同じ読みで季節に合った「梅」の字を使い「梅雨」になったという説。
「梅雨」という言葉は、江戸時代に日本へ伝わり、
その頃から、日本でも「梅雨(つゆ)」と呼ばれるようになった。
それにも、いくつかの説がある。
「それならば季節感ある梅という漢字を使った方が良いだろう」、という説に頷けますね。
梅と雨、という組み合わせにジメジメした雰囲気やカビなどのネガティブなイメージを感じさせない、美しさや爽やかさを感じます!
まとめ
1)「入梅」は現在の6月11日頃で、田植えの日を決めるために重要だった。
2)日本で江戸時代頃から「梅雨(つゆ)」と呼ばれるようになった。
3)「梅雨」は、寒気団と暖気団が同じ力でぶつかりあって起こる。
4)「梅雨」の語源は、中国から伝わった「梅の実が熟す頃」の「雨」で
「梅雨(ばいう)」という説や「黴(カビ)」の「雨」という意味で
ある「黴雨(ばいう)」などの説がある。
雨という天の恵みが、私たちの生活に密接に関連していることを再発見できたように思います。