夏も近づく八十八夜!とは言ったものの結局どういう意味が?

八十八夜とはよく言ったものですが何の事かというと立春から数えて88日目(おおよそ5月2日頃)のことを指しています。季節の節目を表す二十四節気の他に日本独自の雑節というものがあり、この中の一つに該当します。このような暦の一つである八十八夜について説明します。

茶摘み 唱歌

茶摘み 合唱 文部省唱歌

初めはこちらの紹介から。茶摘みの歌ですが、これは八十八夜を季節の節目、農事の節目として昔から活用されていたことを端的に理解できる歌詞になっています。 「夏も近づく八十八夜」のワンフレーズだけは知っていても全体を知らない人も多いのではないでしょうか。改めて堪能してみてください。
夏も近づく八十八夜
野にも山にも若葉が茂る
「あれに見えるは茶摘みじゃないか
あかねだすきに菅の笠」

日和つづきの今日このごろを
心のどかに摘みつつ歌ふ
「摘めよ摘め摘め摘まねばならぬ
摘まにゃ日本の茶にならぬ」

二十四節気(にじゅうしせっき)と雑節(ざっせつ)

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 二十四節気は古代中国で気候の移り変わりを人民に伝える目的とともに、季節に合わせて適切に農事を進めるための目安として作られたものです。この二十四節気は後に日本に伝わります。
 しかし、日本と中国では気候が違う為に日本の気候に合わせた補助的な節目が必要になりました。これが雑節と呼ばれるものです。

【八十八夜】に込められた意味

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お茶の葉は、一度でも霜に当たると駄目になってしまいます。現代のように品種改良がされていない頃は、春に早期の種まきを行うと遅霜が降りて、それまで育ててきた茶葉が台無しになる恐れがありました。そのため昔は藁〔わら〕をひき、霜を防いだようです。霜に対して更に注意を促すために「八十八夜の別れ霜」というような言葉も生まれました。この言葉が示すように、八十八夜は冷害を回避する目安の日となっていたようです。
また、1656年の伊勢神宮で刊行した伊勢暦にはじめて記され、1686年の暦に正式に採用された日本独特の暦日です。それは農家にとっても幕府にとっても、霜害による不作が最も恐ろしかったため、霜の注意を促すために特別に暦に記載されたそうです。
遅霜対策、注意喚起の意味もあったんですね。
茶摘の時期に関しては実際には地域によって多少前後するので八十八夜の頃とは限りません。
 「米」という字をバラバラにすると、八十八になります。八十八には農家にとっては特別な意味が込められています。また豊作を祈願する日として位置付けられている地域もあるようです。
 さらに沖縄方面ではトビウオ漁の開始の目安とされたりするなど、茶摘みの目安として利用されるだけではなく地域地域の都合に適した他の目安として使われている事例もあるようです。

八十八夜にまつわる言葉や詩

 八十八夜の忘れ霜
 八十八夜の別れ霜
 八十八夜の泣き霜
 九十九夜の泣き霜

いずれも遅霜に関する言葉です。五月上旬~中旬頃はちょうど霜が降りる最後の季節なので、油断しないように注意喚起の意味があるようです。

 霜なくて曇る八十八夜かな  (正岡子規)

こちらは詩です。

 (28372)

これは太宰治が書いた「八十八夜」という小説ですが、内容は暦の八十八夜とは全く関係ないようです。

八十八夜と縁の深い人物紹介

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八十八夜が初めて採用された貞享暦(じょうきょうれき)を作ったのが渋川春海です。
1639~1715

江戸中期の天文学者・歴学者。京都の人。

安井算哲とも、1702年に渋川と改姓。幕府の碁師の家に生まれ、初め家業を継いだが、岡田章意らに天文暦学を学んだ。

平安時代以来使用されてきた宣明暦に誤りのあることを発見し、1684(貞享元)年に改暦を幕府に建議、元の授時暦をもとに、天体観測で経度差を修正した日本独自の貞享(じょうきょう)暦が採用され、翌年から施行された。

初代の幕府天文方に任じられ代々世襲となる。

著書に『日本長暦』、『天文瓊統(けいとう)』などがあり、天球儀・渾天儀・星図の製作も行った。

二代目安井算哲だったんですね。
渋川春海(初代安井算哲の実子)に関しては、小説「天地明察」で主人公として取り上げられていたり、この小説を元にした映画もあります。

ZONE 1「渋川春海とその時代」 国立科学博物館 渋川春海と江戸時代の天文学者たち

渋川春海の没後300年ということで、2015年に特別展があったようです。

八十八夜と新茶

 (28409)

 茶葉は摘む時期によって1番茶、2番茶、3番茶と表現が変わっていきます。ざっくりそれぞれの時期をいえば5月、梅雨、盛夏、の頃になります。 
 早い時期の茶葉は葉が柔らかく、成長した後になるにつれて堅い葉になっていきます。この違いは茶葉からの栄養分の溶けだし方に影響を与えます。一番早い時期に摘んだ若い葉のほうが旨み成分等多く溶けだしておいしいお茶となるということです。これが丁度八十八夜の頃の新茶になるようです。

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